英語が聞き取れない理由はリンキング｜発音の基礎的法則を学ぶ

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

英語が上手く聞き取れない原因の一つとしてリンキングを知らないことが考えられます。英語は別々の単語で書かれているものを、話すときにはつなげて一つの単語のように発音することがよく起こります。これをリンキングと言います。

リンキングは、単語を連続して発音するだけではありません。単語の最後の音と、その後に続く単語の最初の音がくっつくことで、発音が変わります。簡単な例では『Thank you』。発音は、/サンク　ユー/ ではなく /サンキュー/ と変化します。

このリンキングを知らないため、簡単な単語が並んでいるだけなのに、なぜか聞き取れない。英文を声に出して読むとネイティブスピーカーように発音できないという悩みが出てきます。

この記事では、リンキングはどのようなときに起こるのか、どう練習すれば良いのかについて解説しています。ぜひ参考にしてください。

リンキングって何？

ネイティブスピーカーの英語が早すぎて聞き取れいないと悩んでいる人は多いです。しかし、実際に早いのではなく、リンキングにより発音が変わっているため、早いと感じていることが多いです。早口で本当に早い場合もありますが。

例えば、What did you do last weekend?（先週末は何したの？）という文は
/ワット　ディドゥ　ユー　ドゥ　ラスト　ウィークエンド/ ではなく
/ワッディジュドゥ　ラス　ウィーケン/ と発音されます。

繋げて発音しているだけではなく、発音まで変わってます。こんなに習った英語の発音と違っていては、何度聞いても聞き取れるようにはなりません。

なぜ、何のためにリンキングは起こるのでしょうか？そして、英語を母国語としない私達は、どうすれば聞き取れるようになるのでしょうか？

なぜリンキングは起こるのか？

日本語は、一つ一つの音を同じトーン、同じ長さで発音します。一方、英語は一息で音を切らずに発音したり、意味のかたまり単位でつなげます。その中で発音の強弱、長さを変化させることでリズムを付けます。

例えば、先週何したの？(What did you do last weekend?) の発音は、

日本語では、せ、ん、しゅ、う、な、に、し、た、の？　とすべての文字を同じ音の高さ、長さで読んでいると思います。

英語では、ワッディジュドゥ,ラス,ウィーケン　と、意味のかたまりごとに区切り、文章は一呼吸で読み上げます。さらに、What や last weeken など文章の中で重要となる単語を強く読みます。

このように英語は日本語と違い、リズムのある連続した音の流れになります。このような発音するには、単語と単語をつなげて読んだほうが楽になります。つまり、なぜリンキングは起こるのかの答えは、リンギングしたほうが楽だからです。

英語のリズムについては、下の記事で解説しています。
英語のリズムに慣れるコツ｜日本語との違いを理解して習得する

英語はどうすれば聞き取れるようになる ネイティブスピーカーの英語が聞き取れない、流暢に話せないのは勉強が足りていないからだ。もっとたくさん英語を聞かないと、洋画や海外のドラマなどを観よう、と思っている人は多いです。 確かに、英語を短期間で１０００時間くらい聞けば、聞きとてるようになるかもしれません。しかし、１日に３時間で１年間程度かかるので、忙しい社会人にはかなり難しいですよね。 さらに、英語が初級や中級の人では、洋画やアメリカのドラマを観ても英語が聞き取れるようにはなりません。なぜなら、ネイティブスピーカーの発音は、私達が学んだ発音と違っているからです。 どうすれば良いの？ ネイティブの英語を聞き取れるようになるためには、まずリンキングの法則を覚えます。リンキングにはある程度規則があります。どのような場合に、どんな発音の変化が起こるのか学びましょう。 次に、発音練習です。私達は、発音できない音は聞き取ることが出来ません。学んだリンキングを何度も練習して、使えるようになれば、ネイティブの英語も聞き取れるようになります。 最後に、たくさん英語を聞くことです。リンキングの基礎的な法則以外にもたくさんの規則があります。ネイティブの英語をたくさん聞いて、色々な発音規則を身に付けてください。 リンキング一覧と例文

連続した単語をつなげて発音するリンキングには、基礎的な法則が３つあります。

１．子音と母音
単語の終わりに子音があり、次の単語が母音で始まる場合、子音と母音をつなげて発音します。

＜例文＞
・I have an apple.（私はりんごを一つ持っている）
an apple は、 “n” と “a” がつながって /アナッポル/ と発音します。

・He is on vacation.（彼は休暇中です）
is on は、”s” と “o” がつながって /イゾン/　と発音します。

・Let’s keep in touch.(連絡を取り合おう）
keep in は、”p” と “i” がつながって /キーピン/ と発音します。

２．子音と子音
単語の終わりに子音があり、次の単語が子音で始まり、さらに子音が同じ、もしくは発音の口の形が似ている場合は、つなげて発音します。

＜例文＞
・What time is it now?（今何時？）
what の “t” と time の “t” が連続しています。what の “t” の発音の口の形で止めて、そのまま time の “t” を発音 /ワッタイム/となります。

・Take care of yourself.（気をつけてね）
take の “ke” と care の “ca” は発音の口の形が同じです。”k” の発音の口の形を作った状態で止めて、そのまま “ca” を発音 /テイケアー/となります。

・Did you have fun?（楽しかった？）
have fun の “v” と “f” は発音の口の形が同じです。”v” の発音の口の形で止めて、そのまま”f” を発音 /ハ(ヴ)ファン/ となります。

３．母音と母音
単語の終わりに母音があり、次の単語が母音で始まる場合、２つの母音の間に /w/ や /y/ の音が入り、発音が滑らかになります。

＜例文＞
・How are you?（元気？）
How/ハウ/　と　are/アー/ の間にわずかな W が入り、/ハウワーユー/ となります。

・May I help you?（お手伝いしましょうか？）
May/メイ/ と I/アイ/ の間にわずかな J が入り、/メイヤイ/ となります。

・Are you all right?
you/ユー/ と all/オール/ の間にわずかな W が入り、/ユーウォール/ となります。

まとめ法

ネイティブスピーカーの英語が聞き取りにくかったり、スムーズに英語が発音できない大きな要因となっているリンキングについて解説しました。

リンキングは Thank you を /サンク　ユー/ ではなく /サンキュー/ と連続する単語をつなげて発音する規則です。

このリンキングが起こるのは、前の単語と続く単語が以下のような場合に発生します。
・子音と母音が連続
・子音と子音が連続
・母音と母音が連続

まずは、この３つのパターンを理解。そして、Youtube や ポッドキャストなどネイティブスピーカーの英語をたくさん聞いて、真似して、リンキングを身につけてください。