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単語の勉強をしていると、なぜか覚えられない単語が出てくると思います。覚えたと思っていたのに、ちょっと時間がたてば忘れてしまう単語。そんな単語は、語源を使うと覚えやすくなることがあります。
幼い子供は、英語に触れているだけでどんどん記憶してしまいます。しかし、大人は子供のようにはいかず、眺めるだけ、聞いているだけでは、英単語を記憶することは出来ません。
やっぱり幼い頃から英語を勉強していないと英語は出来るようにならない・・・とはなりません。大人が子供よりも優れている能力を使うことで、効率よく英単語を記憶することが出来ます。
その能力は、物事を筋道を立てて理解する『論理的思考』です。活用する方法は色々ありますが、英単語を覚えるときは英単語の語源(成り立ち)を使います。
この記事では、語源を使って英単語を覚える方法について解説しているので、参考にしてください。
語源を使って英単語を覚える
そもそも語源とは、何を指すのでしょうか?辞書で調べると『ある単語が持つ意味の由来』とあります。
例えば、appoint と disappoint はスペルは似ていますが、意味はまったく異なります。appointは『指定する』、disappointは『失望する』です。
“appoint” は “ap” と “point” に分けられ、”disappoint” は “dis”、”ap”、”point” に分けることが出来ます。
appoint = ap『~の方へ』+ point『指した点』
から『指した点の方へ』となり『~を指名する』という意味になりました。
disappoint = dis『~ない』+ appoint『~を指名する』
から『指名しない』となり『~を指名されないでがっかり』そして『失望する』という意味になりました。
このように、英単語は複数の語源の組み合わせで構成されていることが多いです。つまり、1つの語源から複数の単語を一気に覚えることが出来ます。
語源を使って英単語を覚えるメリット
語源を使った学習には、調べる時間がかかるというデメリットはありますが、それ以上のメリットがあります。
語源を使った英単語学習のメリット
- 同じ語源の英単語をまとめて覚えられる
- 知らない単語の意味が推測できる
- 単語の勉強が興味深いものになる
それぞれについて見ていきましょう。
同じ語源の英単語をまとめて覚えられる
日本語の漢字は、左右や上下に分解することができます。それぞれ意味を持っていて、組み合わせることで、たくさんの漢字が作られています。
英単語も同じように複数のパーツに分けることが出来ます。それぞれに意味があり、それらを組み合わせることで、たくさんの単語が作られています。
例えば、自転車を表す “bicycle” は “bi” と “cycle” に分けることが出来ます。”bi” は『2』、”cycleは”『輪』という意味があるので、合わせて『2つの輪』。つまり『自転車』です。
“bi” を 『1』を意味する “uni” に書き換えた “unicycle” は『一輪車』、”tri”『3』にした “tricycle” は『三輪車』となります。
さらに発展させると
・bilingual = bi『2』+ lingual『舌』=『2つの舌』から『2ヶ国語を話す』
・uniform = uni『1』+ form『形』=『1つの形』から『制服』
語源は数限りなくあり、中には20語以上の派生語があるものもあります。全ての語源を覚える必要はありませんが、重要な語源を知れば、一気にボキャブラリーを増やすことも可能です。
重要語源については、この記事の後半で紹介しています。
知らない単語でも意味を推測できる
ときどき意味を知らない漢字でも、なんとなく意味が推測できる場合がありますよね。『さんずい』が付いていれば水、『きへん』がついてれば木に関するものといった具合です。
読書中に知らない漢字が出てきても、辞書で調べず、ニュアンスだけつかんで読み進めることが多いと思います。
同じように英単語も語源を知っていれば、知らない英単語でも意味を推測できるようになります。わざわざ調べる必要が無くなるので、洋書や英語の記事がスムーズに読める、英語の長文問題を解くスピードが早くなる、などのメリットがあります。
“dis” が付いているから何かを否定しているな、とか “ex” が付いているから外側に向かって何かをしているな と推測できます。
単語の勉強が興味深いものになる
語源は、インターネットを使えば簡単に調べられます。一つの語源を覚えることで、複数の単語に展開することも可能です。
また、語源が分かると、アルファベットの塊だった単語が意味のある塊に見えてきます。徐々に英語という言語に興味が湧き、『丸暗記学習』から『好奇心を持った学習』に変わります。
頻繁に目にする英単語の語源
ここでは、数多くの単語の頭に付く語源(ex-, in-, re-, sub-) を紹介します。これを覚えるだけでも単語の見え方が変わると思います。
ex はギリシャ語に由来して『外に』という意味があります。
<例>
export:ex『外に』+ port『運ぶ』=『外に運ぶ』→『輸出
example:ex『外に』+ ample『取る』=『外に取り出す』→『例』
同じ語源を持つ単語には explain, exceed, exchange などがあります。
in, im はラテン語に由来して『中に』という意味があります。
<例>
inport:im『中に』+ port『運ぶ』=『中に運ぶ』→『輸入』
invent:in『中に』+ vent『来る』=『頭にアイデアが来る』→『発明する』
同じ語源を持つ単語には implant, incline, initiate などがあります。
re はラテン語に由来して『再び、元に』という意味があります。
<例>
recycle:re『再び』+ cycle『輪』=『再び回す』→『再利用する』
reunion:re『再び』+ uni『1つ』=『再び一つになる』→『同窓会』
同じ語源を持つ単語 restore, replace, renew などあります。
sub はラテン語で『下に』という意味を持ちます。
<例>
subway:sub『下に』+ way『道』=『下の道』→『地下鉄』
subtitle:sub『下に』+ title『題名』=『下の題』→『副題』
同じ語源を持つ単語には suburban, substance, submit など
語源を使って英単語を覚える方法が向かない人
語源を使った勉強法のメリットをいつくか説明しましたが、すべての人におすすめできる勉強法ではありません。
語源を使った学習が使えるのは、少し難しい単語に対してのみです。高校で習う英単語や専門用語に対しては効果を発揮しますが、中学で習う基礎単語に対してはあまり効果を発揮しないこともあります。
また、語源を使った勉強は、すでに持っているボキャブラリーと関連付けながら覚えていくので、ある程度、基礎的な単語を覚えている必要があります。
そのため、英語を1から学びなおしたい人、中学で習うような基礎単語に不安がある人には、あまり効果を発揮しないかもしれません。
まずは、基礎的な英単語を身につけることに時間を使ってください。その後、さらにボキャブラリーを増やしたいと思ったら、本格的に語源を使った単語学習を始めたほうが良いですね。
まとめ
大人になると幼い子とは違い、なんとなく英語に触れているだけでは覚えることは出来ません。幼い子には幼い子にあった勉強法があり、大人には大人に合ったものがあります。
大人になってから英語を勉強する場合は、理論的思考を使うことが必要です。英単語の記憶は、語源を使うと効率が上がります。
英単語は、複数のパーツに分けることができ、それぞれ意味(語源)を持っています。各パーツを組み合わせることで、いろいろな単語が作られています。
語源が分かれば、同じ語源の英単語をまとめて覚えられる、知らない単語の意味が推測できるというメリットがあります。また、英語という言語に対して興味が出てくるかもしれません。
ちなみに、語源はGoogleで『調べたい英単語 語源』と検索すれば簡単に見つかります。