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社会人になると学生時代と違い、十分な英語の勉強時間を確保するのは難しい。仕事で体も頭も疲れている状態で、英語の勉強するのは大変。学生時代はたくさん勉強時間が取れて良かったな~と感じている人も多いのではないでしょうか。
そんな社会人が英単語を覚えるためには、とにかく効率を良くすることが重要です。例えば、単語のスペル。学生時代は試験のためにスペルを覚える必要がありましたが、社会人はスペルが間違っていても大した問題にはなりません。
では、社会人はどのように英単語を勉強すれば良いのでしょうか?この記事では、記憶のメカニズムに合わせた3つのポイントについて解説します。
英単語を効率的に覚えるには?
英単語を一生懸命に覚えたのに、数日後にはほとんど忘れてしまったという経験はありませんか?もしかして英語が向いていないのかもと不安になって人もいると思います。
でも、安心してください。これは、脳の仕組みからすると誰にでも起きることです。
人間の脳には物事を記憶しておくスペースが限られています。そのため、脳は頻繁に目にするものを重要と判断して記憶に残し、それ以外のものを忘れるような性質を持っているます。
つまり、英単語を記憶したいときには、何回も目にすることが重要です。英単語帳は一回ではなく、覚えるまで何回も、何十回も読むことが必要です。
1つの単語にかける時間を最短にして、何回も単語帳を読みましょう。ノートに書き写すことは、時間と労力の無駄です。単語は目で見て、発音することで覚えていきましょう。
このような英単語の基本的な勉強方法は下の記事にまとめています。まだ読んでいない人は、そちらを先にチェックしてみてください。
それでは、英単語学習をさらに効率的にする方法につてい、見ていきましょう。
単語の記憶を効率的にする復習のタイミング
カナダのウォータールー大学の記憶に関する有名な実験があります。1日目に1時間の授業を行い、時間とともに授業内容をどの程度忘れてしまうのかを調査したものです。
結果は、授業内容について復習を行わないと、2日目には授業内容の50~80%忘れる。さらに時間とともに記憶は薄れ、30日後には2~3%しか記憶に残らない。
次に、定期的に授業内容の復習を行った場合について実験を行いました。その結果、24時間後、7日後、そして30日後に復習すると、記憶の定着率が飛躍的に上がるというものでした。
この実験結果を見ると、英単語を効率的に覚えるためには、定期的に復習することが重要ということが分かります。復習のタイミングの目安は、1日後、7日後、15日後、30日後です。
意味のつながりで複数の英単語を覚える
歴史の授業で、語呂合わせで年号を記憶したことがあると思います。泣くよ(794年)うぐいす平安京、いい国(1192年)作ろう鎌倉幕府など。ただの数字の羅列でも、知っている記憶とつなげると覚えやすくなります。
英単語を勉強し始めたばかりは、馴染みの無いアルファベットの羅列なので覚えるのが大変だと思います。しかし、ボキャブラリーが増えてくると『あっ、この単語はあの単語と似ている』『あの単語と同じような意味だ』と他の単語と関連付けて覚えられる様になるので、記憶が楽になってきます。
ある程度、英単語が覚えられたら、意味のつながりで覚えるために『派生語』と『語源』を使った英単語学習を試してみてください。派生語とは、一つの単語の形を変形して作られた英単語のことです。語源とは、英単語の元となったギリシャ語やラテン語のことです。
語源を使った記憶
輸入を意味する英単語は”import”です。”im-“は『~の中へ』、”port”は『運ぶ、港』という語源から来ています。同じ語源を使った単語には以下のようなものがあります。
export:”ex-“は『~の外へ』、”port”は『運ぶ、港』なので、外へ運ぶとなり『輸出』
passport:”pass”は『通る』、”port” は『港』なので、港を通るとなり『パスポート』
opportunity:”op-“は『~の方向へ』、”port”は『港』、”-ity”は『こと』なので、港に向かう。港方向へ船が向かっているので、商機があるというイメージから『好機』となります。
他にも 同じ語源”port”を使った単語には support, transport, important, report などがあります。語源を意識すると複数の単語を関連付けて覚えることが出来るので、覚えるスピードも上がり、忘れにくくなるのでおすすめです。
派生語を使った記憶
英単語は少し形を変えるだけで反対の意味になったり、動詞が名詞に変化する単語がたくさんあります。1つの単語だけを覚えるのではなく、派生語も覚えていくことで効率よくボキャブラリーを増やすことが出来ます。
例えば、接続するを意味する英単語”connect”に、反対を意味する”dis”をつけると”disconnect”『切断する』になります。”ion”を語尾につけると”connection”『接続、関係』”ive”を語尾につけると”connective”『接続の、結合の』という形容詞に変化します。
他の情報と関連付ける
効率よく記憶する方法の一つに『関連付け』があります。脳は、一つの情報をそれだけで保管しているのではなく、他の情報とつなげて保管しています。
例えば、梅干し。梅干しと聞くと、赤い、酸っぱい、よだれが出るなどいろいろな情報が思い浮かぶと思います。
このように、記憶は鎖のようにつながっています。この脳の性質をうまく活用することで、英単語が記憶がしやすくなります。
英単語を単なるアルファベットの塊、無味乾燥なものとして捉えるとなかなか記憶できません。そこで、画像、動画、経験などいろいろな情報と関連付けることで記憶しやすくなります。
画像と組み合わせる
英単語をアルファベットだけではなく、画像も一緒に見ながら勉強すると記憶の定着が良くなります。最近では、その効果を活用するため、単語と一緒にイラストが描かれている単語帳が増えています。
ただ、覚えたい単語が載っていないことも当然あります。そんなときに使えるツールが 『Google の画像検索』です。もちろん無料なので試してみてください。
使い方は簡単です。まずGoogle を開き、検索欄に調べたい単語を入力します。そして、下の図にあるように『画像』をクリックします。すると、その単語に関する画像が表示されます。
例えば、pour という単語で検索してみると、下の図のように飲み物や液体を注ぐ画像が表示されます。
動画と組み合わせる
単語を勉強するときに、英語を母国語とする人はどう発音し、どのような場面で、どう使うのか分かるとさらに理解が深まり、記憶にも残りやすくなります。
使うツールは『Youglish』。こちらのツールも無料で使うことが出来ます。YouGlishは、Youtube + Englishを組み合わせたツール。調べたい単語を入力すると、その単語を含んだYoutube動画だけを再生できます。
少しレベルの高い勉強方法ですが、ぜひ試してみてください。Youglishのサイトへのリンクを下に貼っておきます。
https://youglish.com/
サイトにアクセスしたら、検索窓に調べたい単語を入力して検索します。すると、関連した動画の再生が始まります。
先ほどと同じように pour という単語を検索すると、下の図のように表示されます。検索数された動画は11357個。動画の下には、英語の字幕が表示され、検索した文字は黄色でハイライトされます。
経験に合わせる
英単語を覚えるときには、使い方や一緒に使う前置詞などを確認できる例文は欠かせません。しかし、単語帳に載っている例文は、現実味が無い、興味が持てない内容のことが多いと思います。
この例文にちょっとアレンジを加えることで、記憶に定着しやすいものに変えることが出来ます。ポイントは、主語を身近な人物や場所に変えたり、内容を興味のあるものに変えてみることです。
<単語帳の例文>
A woman is pouring some juice.
女性はジュースを注いでいる
<例文のアレンジ>
My father is pouring his own sake.
父は自分でお酒を注いでいる。
自分の経験に照らし合わせて、父親が日本酒を手酌している姿を思い浮かべながら例文をアレンジしてみました。
自信の経験に基いた例文にすること、そして例文を作ったという経験が組み合わさることで単語を覚えやすくなります。
まとめ
この記事では、英単語を覚える効率を上げる方法について解説しました。
ポイント1
英単語は、単語帳を何回も繰り返すことで徐々に記憶に定着します。繰り返すタイミンは出来るだけ短時間で行うことが重要です。
ポイント2
単語を一つ覚えるのではなく、関連した単語を一緒に覚えると効率が上がります。
ポイント3
単語を他の情報(画像、動画、経験)と組み合わせると記憶しやすくなります。