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社会人になって英文法をもう一度勉強しようと思う人は多いです。TOEICなどの試験のため、英会話が必要になったためなど、その目的はさまざま。
いざ探し始めると、参考書の種類の多さに驚いたのではないでしょうか?選択肢があるのは良いことですが、多すぎるとどれを買ったら良いのか分からなくなってしまいますよね。
この記事では、そんな人向けにおすすめの英文法参考書を3冊に絞って、その特徴とどんな人に向いているのかを解説しています。よかったら購入する際の参考にしてください。
英文法の参考書の選び方
参考書にはそれぞれ特徴があり、学習者には学ぶ目的、英語力が異なります。つまり、誰にでもオススメできる参考書はありません。
どんなに口コミが良くても、どれだけ高価な参考書でも、使用する人に合っていなければ、十分な効果を発揮しません。
英文法参考書は、勉強する目的とあなたの実力に合ったものを購入してください。
学生時代に英文法が苦手だった、学校を卒業してからずっと英語に触れていない。そんな人には、一から英文法を学べる参考書。
学生時代は文法はしっかり勉強していて基礎知識はある程度ある、もっと文法を深く学びたい。そんな人には、すべての英文法が学べる参考書。
文法の基礎知識はあり、もっと英会話で使える知識を身に付けたい。そんな人には、話すための英文法が学べる参考書。
それでは、それぞれの参考書について詳しく見ていきましょう。
一から英文法を学ぶ学べる参考書
タイトル:大岩のいちばんはじめの英文法『超基礎文法編』
英語講師によって書かれた参考書です。文章は話し言葉で書かれていて、講義をそのまま書き起こしたような作りで、とても読みやすいです。
参考書の構成は、各項目にそれぞれの文法の解説と理解を確認するためのCHECK問題。内容は、中学生が習う基礎的なことから関係代名詞、仮定法まで網羅されているので、この一冊で英文法の基礎は理解できるようになります。
タイトルに”超基礎文法編”とありますが、これは簡単なという意味ではなく超重要という意味です。英語が出来るようになるために、必ず理解しなければいけない項目ばかりが載っています。
英語中級者でも、この参考書にから色々なことが学べると思います。
ボリュームは、230ページ程度と多くはありません。頑張れば一週間で読み切ることが出来ると思います。2回、3回と繰り返し読んで、英語の基礎を確実にしてしまいましょう。
この参考書がおすすめな人
・学生時代に勉強したけどしっかりと文法を理解できなかった人
・学校を卒業してから数年間、英語に触れていない人
・英会話の力がなかなか伸びない人(文法の基礎が抜けているかも)
・TOEIC600を目指している人
基礎的なことから解説されていますが、英語をゼロから始める人、例えば I や You から勉強したい人には難しく感じるかもしれません。
そんな人には、別の参考書”中学英語をもう一度ひとつひとつ” の方が合っているかもしれません。アルファベットの書き方から始まり、I や You の説明も載っています。
すべての英文法が学べる参考書
タイトル:総合英語Forest(フォレスト)
タイトルに『総合英語』とあるように、基礎レベルから応用レベルまでほぼすべての文法が解説されている参考書です。
英文法は、この一冊だけで十分。ですが、全部で650ページ、内容もぎっしり詰まっているので、英文法を一からやり直す人が最後まで読み切るのはハードルが高いと思います。基礎から丁寧に解説されているので、不可能ではないですが。
オススメは、文法の基礎を”大岩のいちばんはじめの英文法”などで学んだ後に、分からない文法だけ調べる辞書的な使い方です。
構成は、各文法を3つのパートに分けて説明する形になっています。
パート1『これが基本』では、各文法の概要が主に日本語で解説されています。このパートで大まかな内容を把握します。
パート2『理解する』では、パート1の内容を例文を使いながら細かく解説しています。このパートで文法の使い方をしっかりと理解します。
パート3『深く知る』では、文法を使う際の注意点や応用レベル文法が解説されています。このパートで上級レベルの知識を身につけることが出来ます。
この参考書のもう一つの特徴が充実している巻末索引のです。文法用語による索引、英単語のによる索引、そして機能別(例:あいづちを打つ、自分の考えを述べる)による索引の3種類。目的の文法に簡単にたどり着けるようになっています。
この充実した索引からも分かるように、英文法辞書のような参考書です。辞書と言っても堅苦しい印象はなく、イラストや概念図がたくさんあり理解しやすい作りになっています。
この参考書がおすすめな人
・基本的な文法はだいたい理解している
・細かい文法についても学びたい
・文法に関する辞書のようなものが欲しい
<追記>
総合英語Forestは販売中止となり、出版社を変えて総合英語Evergreenとして販売されています。著者はまったく同じで、内容もほぼ同じです。
話すための英文法が学べる参考書
タイトル:一億人の英文法
作者は、大西泰斗氏とポール・マクベイ氏の二人の言語学者です。両名ともにNHKラジオ、教育テレビにて英語番組に出演しています。
この英文法書は、他の参考書とはまったく異なった作りになっています。まず、この参考書は英語を読むこと、聞き取ることではなく、英語を話すことに重点が置かれています。
そこで重要視されているのが『ネイティブが文法や基本動詞、前置詞などを使う際に、どんなイメージを持っているのか』です。
例えば、to不定詞と動名詞(-ing)。どちらも『~すること』と訳しますが、ネイティブは違ったイメージを持って使用しています。
to不定詞には『一般的な内容』や『これから行うこと』というイメージを持っています。動詞名(-ing)には『生き生きとして躍動感』というイメージを持っています。
これから行うことを伝えたいから to不定詞、躍動感を伝えたいから動名詞(-ing)を使って文章を作ろう。と、意識的に文法の使い分けが出来るようになります。
イメージを伝えるため、たくさんのイラストが使われています。それでもトータル680ページもあるのでかなりのボリュームがあります。
基本的な単語や文法を知らないと読むのも難しいので、一から勉強する人にはおすすめできません。また、文法ごとにまとまっていないので、辞書的な使い方をしたい人にも向いていません。
この参考書をおすすめできる人は
・基本的な文法はだいたい理解している
・試験でいい点数を取るためだけの勉強はしたくない人
・話すための文法を勉強したい
まとめ
オススメの英文法参考書を3冊紹介しました。
英語を一からやり直したい人、数年英語から遠ざかっていた人には”大岩のいちばんはじめの英文法”がおすすめです。基本的なことが優しく解説されています。
英語の基礎が理解できて、もっと英文法の知識を深めたい人には”総合英語Forest(総合英語Evergreen)”を辞書代わりに購入することをおすすめします。
英語の基礎は一通り勉強して、実際に使える英文法を勉強したい人には”一億人の英文法”が合っていると思います。